コレクション: 高橋仙子
高橋仙子は東京生まれ。HASHI STUDIOでグラフィックデザイナーとして活躍した後、絵画に転向しました。イラストレーション、アートディレクション、ビジュアルデザインといった分野横断的なバックグラウンドを基に、独自の表現言語を確立してきました。2007年以降は専業アーティストとして国内外で活動し、2021年以降は身体性、生命エネルギー、内なる知覚といったより深いテーマに焦点を移し、哲学的な深遠さと現代的な文脈を融合させた作品を制作しています。
プロフィール
東京生まれ。
多摩美術大学(日本画専攻)卒業。
卒業後は東京のHASHI STUDIO(写真・構成関連のデザイン会社)で4年間勤務。
1999年よりイラストレーター、グラフィッククリエイターとして活動を始める。
2007年よりアーティストとして創作活動を行い、展覧会を主な活動として展開。
2021年より、より一層集中した姿勢で創作活動に打ち込み、より本格的で継続的な芸術活動を行ってまいります。
アーティスト・ステートメント | フロー — 流れの中の人生の認識
高橋信光は、重病を経験したことをきっかけに、自身の体の奥底に湧き上がるエネルギーと、生命構造の微細な変化を再発見しました。この再生のような体験から、「Flow」シリーズは生まれました。
回復の過程で彼女は、人体は単一の臓器の集まりではなく、細胞、神経、血管が織りなす「小宇宙」であり、その働きは自然界、さらにはより広い宇宙の秩序と密接に関係していることに気づきました。
「Flow」シリーズは、「浸食、膨張、拡大、溶解」といった視覚的な用語を用いて、エネルギーの流れ、融合、拡散を表現し、感情と意識が重なり合い変化していく過程を描き出しています。最終的には、再生と循環を象徴する生命のリズムを形成します。
私たちの人生は常に変化しています。
内部と外部、痛みと喜び、破壊と再構築はすべて常に変化し、一緒に人生の流れの一部を構成します。
高橋伸光は、これらの作品を通して鑑賞者が自らの生命のリズムを再発見し、自分たちも万物を繋ぐ宇宙の粒子であることに気づくきっかけになればと願っています。
アーティスト・ステートメント | 境界の解体:新たな風景としての「顔」の誕生
「輪郭が静かに緩んできています。」
急速な情報の流れと技術革新が進む現代において、自己と他者、内なる世界と外なる世界、感情と情報の境界はますます曖昧になっています。ソーシャルメディアは人々の新しいものの見方を形作り、AIの台頭は「人間が作ったもの」と「人間が作っていないもの」の境界線をさらに曖昧にしています。
高橋信光は幼少期より「顔」をテーマに作品を描き続けてきました。彼女にとって「顔」は、認識の入り口であると同時に、感情を外に伝える出口であり、現代社会の複雑なコミュニケーション構造の象徴でもあります。
境界線が徐々に消えていく時代にあっても、人々は依然として自らの「輪郭」を保ちたいと願っている。
彼女は、歪んだり、溶解したり、再生したりした顔の画像を通して、「流動的であること」、つまり別の自分と対話しているかのような瞬間、不確かな境界内で自分自身を再定義するプロセスを捉えています。
彼の作品は顔を描くのではなく、顔と顔の間の隙間、感情と認識の流れ、そして自分と世界の間で絶えず揺れ動く境界線を描いています。
個展
1994年高橋仙行展
2002年 「花楽風」恵比寿三越 / 三越ギャラリー、東京
2003年 「花風雅」 - 松屋、銀座、東京
2009年「花の物語」アートコンプレックスセンター、東京
2019年 「菩薩のマンダリン」 恵比寿三越 / 三越ギャラリー、東京
2022年個展(吉野智彦ギャラリー、東京)
2023年「The Frontier of Edge」 (ホワイトストーンギャラリー、東京)
2024年「花影 光の風景」福屋百貨店(広島)
2025 edge ―流れる境界線― (東急百貨店文化村 ShinQsギャラリー5、渋谷)
/巡回展「Edge ― 流動する境界線」東急百貨店本店・プラザ(横浜)