コレクション: クイックス

クイックス(フィリピン)

フィリピン人アーティスト兼デザイナー、フアニート・マイケスのペンネームであるクイックスは、デザイナートイの分野における先駆者の一人です。マニラで育った経験からインスピレーションを得て、ストリートグラフィティ、ビジュアルアート、ポップカルチャーを融合させ、独特のビジュアルスタイルを生み出しています。

彼の最も象徴的な創作表現は「TEQ63」として知られています。これは、日本のロボット文化(メカ要素など)、アメリカのヒップホップ精神、そしてフィリピンの文化的アイデンティティを強く融合させた美的スタイルです。ストリートウェアに身を包み、独特のディテールを特徴とするTEQ63のキャラクターは、クイックスの最も認知度の高いクリエイティブシンボルであり、世界中の限定版玩具コレクターが求める中心キャラクターとなっています。

クイックスの名声は、ブランド間のコラボレーションと密接に結びついています。最も有名なコラボレーションはアディダスとのコラボレーションです。10代の頃からアディダスの熱狂的なファンだった彼は、いつかブランドの注目を集めたいと願って、作品に意図的に「スリーストライプス」の要素を取り入れました。数年後、ついにアディダスとコラボレーションし、限定版のシューズ、アパレル、おもちゃを制作しました。これは彼のキャリアにおける大きな節目となりました。

また、2023年にはジョニーウォーカーとコラボレーションし、TEQ63 10周年記念限定シリーズ「TEQ63 10周年記念限定版」を発売しました。ブルーラベルの特別ボトルや限定玩具など、コレクターから高い評価を得ています。さらに、彼の創作活動は世界中に広がり、台湾、香港、シンガポール、中東、メキシコなど各地で展示会を開催しています。2025年には、メキシコのレスリング文化に敬意を表した「マッチョ」限定版アクションフィギュアを発売し、国際市場で大きな反響を呼びました。

ストリートグラフィティから始まり、徐々にデザイナートイの世界へと移行してきたクイックスは、「流行を追うのではなく、自身のスタイルを貫く」という信念を常に貫いてきました。TEQ63を自身の芸術的個性の延長として、ストリートスピリットとトイデザインをより高い芸術的レベルへと引き上げ、世界のトイアートとストリートカルチャーの融合における重要なシンボルとなっています。

現在、クイックスはクロスオーバーブランド「バーンウォーター・アート・エックス・デザイン」のクリエイティブディレクター兼CEOを務めるだけでなく、アートの限界に挑戦し続けるクリエイターでもあります。彼の作品はキャンバスを超越し、TEQ63を軸としたクロスメディアのビジュアルユニバースを構築し、その影響力は拡大を続け、新世代のクリエイターたちに、大胆な表現と革新を求めるインスピレーションを与えています。

インスタグラム: @quiccs