アートを収集するとき、作品そのものと並んで大切なのに見落とされがちな書類があります。それが作品保証書(証明書、Certificate of Authenticity=COA)です。いわば作品の「身分証明書」で、誰が、いつ制作し、どのエディションに属するかを記録しています。ここでは保証書の役割、記載されるべき情報、サインと番号の確かめ方、届いた後の保管方法を解説します。
作品保証書の役割
- 作品を特定する:作家名、タイトル、制作年、素材、サイズを記し、作品情報の裏付けになります。
- 来歴を記録する:作家またはギャラリーが発行し、作品の出どころを示します。この来歴(プロヴナンス)も作品の歴史の一部です。
- 将来の譲渡や継承に:作品を譲る、贈る、家族に残すとき、次の持ち主が情報を正確に把握できます。
- 保険やコレクション管理に:保険をかけたりコレクション台帳をつくったりする際の大切な根拠になります。
保証書に記載される主な情報
形式は作家やギャラリーによって異なりますが、一般的には次の内容が含まれます。
- 作家名
- 作品タイトルと制作年
- 素材(例:キャンバスにアクリル/版画用紙にジクレー)
- サイズ
- 版画の場合はエディション情報:総数とこの1枚の番号(例:12/50)
- 作品画像
- 作家のサイン、または発行元(ギャラリー)の署名・印
- 発行日
保証書を受け取ったら、まず作品と1項目ずつ照合しましょう。タイトル、サイズ、素材、番号が一致しているか。気になる点があれば、発行した作家やギャラリーに尋ねれば大丈夫です。
Neverland Gallery の作品保証書
Neverland Gallery のすべての作品に作品保証書が付きます。
- 原画:作家サイン、またはギャラリー発行の証明書。
- 限定版画:作家サイン、エディション番号、エンボス入り。
この内容はギャラリー基本情報や配送ポリシーにも記載しています。
サイン・エディション番号・エンボスの意味
サイン
原画のサインは画面の隅や作品の裏面に、限定版画のサインは多くの場合、画面下の余白に鉛筆で記されます。直筆のサインは、作家がその作品を認めた証です。
エディション番号
「12/50」は全50枚のうちの12枚目、「AP」は作家保存版を意味します。番号によって1枚ずつを識別でき、エディションの総数もわかります。ほかの表記は「版画の表記の読み方」をご覧ください。
エンボス(浮き出し刻印)
エンボスは金属の型で紙に押し出した凸状の刻印で、インクは使わず、指先で立体感を確かめられます。実物の型がなければ押せないため、版画や証明書を見分けるための補助的な目印になります。斜めから光を当てると、紙の浮き出しが見やすくなります。
届いた後の保管方法
- 作品とは別に、でもすぐ出せる場所に:額の裏に貼るのではなく、ファイルや書類袋に入れて平らに保管しましょう。湿気や日光の影響を避けられます。
- 湿気と高温を避ける:台湾のような多湿の環境では、乾燥剤と一緒に引き出しや防湿庫へ。
- 写真やスキャンで控えを:保証書、作品の表裏の写真、入手日、領収書をクラウドに保存し、自分のコレクション台帳に。
- 元の梱包も保管:証明書と元の梱包材はぜひ保管を。引っ越しや輸送の際に役立ちます。
よくあるご質問
保証書がない作品は収集できない?
必ずしもそうではありませんが、保証書があれば将来の不確実さを大きく減らせます。ギャラリーを通じて収集する大きな利点のひとつが、来歴の明確さと書類がそろっていることです。
保証書をなくしてしまったら?
まずは発行したギャラリーまたは作家に、作品写真と入手時の記録を添えて連絡し、対応を相談してください。日頃から写真で控えを取っておくと安心です。
版画と原画の保証書の違いは?
版画の保証書にはエディション情報(総数と番号)が加わり、作品に記されたサイン・番号と照合できます。
確かな書類が、安心のコレクションの第一歩
はじめての1点を検討中なら「アートコレクションの育て方」を、作品が届いた後のお手入れは「絵の飾り方と保管ガイド」をどうぞ。作品と保証書を実際にご覧になりたい方は、台北・信義区のギャラリーへ。来廊情報は台北・信義区のギャラリー案内にあります。
→ コレクション可能な作品を見る(すべて作品保証書付き)
ご来廊予約、または LINE @neverland.gallery・メール art@neverland.gallery で作品や保証書についてお気軽にお尋ねください。
